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いまや毎週末のように各地で盛り上がっている子供たちのランバイクのレース。その一つの大会で、一人の少年のライディングに、ランバイク関係者のみならず、世界中のBMX/マウンテンバイク関係者が釘づけになった伝説の動画があります。

“ロケットボーイラストラン”と名付けられているこの動画は、埼玉県秩父市にあるBMXコースで行われた大会で、一人の少年がランバイクレース出場年齢制限の最後にストライダー卒業レースとして出場した大会でした。
子供から始められるスポーツ-BMXぶっちぎりでトップを行く少年の脚に注目。普通、ランバイクというのはライダーが椅子に座って脚で蹴って前に進むもの。その常識からはずれた椅子に座らないライディング、リズムセクションで体全体を使ったプッシュプル---BMXレースでの基本動作として最重要テクニックを完ぺきにこなす走行を見せたのです。

少年の名前は岸りゅうのすけ君。知る人ぞ知る、ランバイク第一世代のカリスマライダー。日本国内でのストライダーカップでの優勝、その後行われた第一回ストライダー世界大会での優勝など輝かしい成績を残した彼は現在小学一年生。ストライダーを卒業した今はBMXレースに大ハマり中!

そんな彼のお父さんにお話を聞かせていただきました。

ランバイクのおかげですぐに補助なし自転車が乗れた

BMXを通して深まる父と子の絆近所のアウトドア用品店で見つけた幼児用ペダル無し2輪車、”ストライダー”に一目惚れして購入。これを与えられたりゅうのすけ君はすぐさま虜になり四六時中遊んでいたとか。
しばらくして4歳(年少)になる頃、近所の小学生お兄さんの補助なし自転車にいきなり乗れてびっくりしたという。今ではよく言われていますが、ランバイクに乗り慣れた子供は補助なし自転車にすぐ乗れる様になる事例が多く見られ、直進時のバランス感覚を安全に学べる道具として優れている事が伺えます。

自転車店でレーサーBMXを勧められ

自転車に乗れたということで早速馴染みの自転車屋さんに相談に行く。
「最初は家族でサイクリングに行きたかったんです。もともと子供が出来る前は、夫婦でマウンテンバイクなどのスポーツ自転車に乗っていたので、その頃からお世話になっていた自転車屋さんに相談したところ、楽しませるならと軽くて子供でも操りやすいレーサーBMXを紹介されたんです。」「元々その自転車屋さんの店長もBMXレースをやっていた方でよく知っていたんですね。信頼できる自転車屋さんがあってラッキーな事だったと思います。」
それに併せて緑山のレーストラックとそこで行われている初心者講習会を知って受講しに行く。
まだ殆どランバイクのレースが行われていない頃だったため、4歳で初めてのレース体験はBMXレースだったという。程なくしてランバイクのレースにも参加するようになったそうですが、ランバイクレースの黎明期ならではの逆転現象に驚きました。

HAROミニサイズのBMXレーサー

現在身長120センチのりゅうのすけくんが乗るのはHAROのミニサイズのBMX。世田谷のスポーツバイクショップ”BMX RIO”にて購入。店長は現役のフリースタイルBMXライダーの根本氏が務めている。

BMXのコースでも走るようになってからも、しばらくはランバイクとの掛け持ちだったそう。冒頭の動画はそんなBMXに乗りの慣れてきた時のライディングということで、納得のテクニックなわけですね。

「レースの結果にこだわりは無くて、家族で盛り上がれるイベントとして、大いに楽しんでいましたね。レースのない日も公園で乗ったりして。バニーホップ(BMXの基本動作、いわゆるジャンプ)をランバイクでやったりしてね。」

「最近はBMXの練習やレースで遠くのコースまで遠征に行くこともあるけれど、家族が一つになって楽しんでいますよ。」

そんなお父さんですが、最近奥様に怒られたそう。
「期待のあまり、レースの内容について私がカリカリしていた時があって、そんな時に妻に言われたんです。『ランバイクの頃はレースの結果に怒ったりしないでのびのびやっていたでしょ』って。何よりも本人が楽しんで乗ることが大切だという事を改めて思い出して反省しました。」

繋がり

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BMXのコースに行くと、子供から大人まで様々な年齢のライダー達と触れあえるので、社交性の面で為になっているという。
「この前もBMXトラックで練習中、『りゅうのすけ、飛びたいんだろ、ついてきなよ!』と年上の少年ライダーが声をかけて前を走ってくれてね。数回一緒に走って、念願のテーブルトップジャンプを飛びきったんです。子供同士が励ましあって切磋琢磨して成長していく様子が目の前で見れて、本当にうれしかったんですよ!」

最後にこれからの目標は?と聞いたところ
「目標というのは特にないですね。とにかく本人が楽しんでくれているのが一番です。ランバイクからもっともっといっぱいBMXに来てくれたら嬉しいですね。BMXレースはランバイクレースと非常に似ているし、次のステージとして最適だと思いますよ!」
と、次のステップとしてBMXを選んでくれる家族が増える事を心待ちにしているとのことでした。

りゅうのすけ君ファミリー、これからもBMXレースを楽しんでください!